一昨日のことだけれども、早朝までに少々の雨が降ったようだ。ちいーの園のビオラやパンジーがしっとりと濡れていた。
このブログを見ると、この花たちを植えたのは、11月と12月のそれぞれ中頃だったようである。もう、3〜4ヶ月も経つのだ。まだまだ元気に咲いているなあ。
その隣では、枯れ果てたかに思えたミントが徐々に復活し始めた。タンポポも既に葉を伸ばし始めている。いずれも、冬の間は土中に根だけ残して眠っていたのであろう。
そんな青々と柔らかく伸長するミントを毎朝何本か摘んで、うさぎの朝ごはんとして与えている。むしゃむしゃと実によく食べる。きっと採れたては美味しいのだろう。花を撮った後、ついでにレンズを向けるや、サッと正面に向き直った。お澄まし顔であるw
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さて、僕がNHK-FMで毎週聴いている「きらクラ!」という番組だけれども、あと次回の放送を残すのみとなった。
クラシック音楽を気軽に楽しめる番組のひとつとして、実に貴重ではあったのだけれども、終了してしまうのは仕方がないのかという諦めと同時に、何とも惜しい感じもする。
この番組で僕がどうしてももう一度だけ聴いておきたいものが、ひとつだけあった。何年前だったか、「寿限無」の朗読に武満徹作曲の『どですかでん』のテーマ曲をBGMとして当てて流されたのである。
読み手を務めるMCのおふたり(ふかわりょう氏とチェリストの遠藤真理さん)の息がぴったりで、尚且つBGMの締めのタイミングまで丁度良いというまるで奇跡のような出来栄えだったのだ。
『どですかでん』の音楽が、これまた素晴らしい。ギター演奏によるほのぼのとしたこの曲が使われた映画とは一体どんなものであったのだろう、と僕は後日DVDで黒澤明のその作品を観た。
そこで、この曲調にはそんな牧歌的な温かさや優しさがあると同時に、凡ゆる種の赦しや慰め、そして諦めまでもが込められていることを理解した。
ひとつの曲の中に、それだけの要素を一気に集約して内包させることが出来るタケミツは正真正銘の天才だと思った。以来、僕は武満徹のファンである。
そんな訳で、きらクラ!へは事あるごとに何度か、BGMに『どですかでん』を当てたあの「寿限無」の朗読をまた放送して下さい、とリクエストしていた。
すると、どうであろう。先日の放送で、MCの遠藤さんからのリクエストという形で流して貰えたのだ。嗚呼、良かった。番組終了に間に合ったw 勿論、今回の放送もSSDコンポにタイマー録音してある。あとで、この部分だけ切り出した。
それが上の動画(限定公開設定)である。動画と言っても画像は静止画。音声をお楽しみ下さい。FMのジリパスノイズが少し入っているのは御寛恕の程を。僕にとっては、何度聴いても心の何処かにじんわり染み入って来るような、これは至福の1分半なのです…。
下は、YouTubeで見つけた、映画『どですかでん』の予告編動画。それぞれに業を抱えた、どうしようもない人間たちの群像劇である。そんな姿が我々の身につまされていく内に、武満徹のテーマ曲が観るものを労わるように流れていく。
これは、深い諦観が込められた哀憐と慰撫の音楽だ。武満は、彼独自の厳しい洞察力と悟性で、この映画の本質を捉え、それを音という形に止揚したのである。
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さてさて、やはり、と言うべきか。4月に開催されることになっていた、天才鬼才指揮者のテオドール・クルレンツィスとムジカエテルナの来日公演が全て中止という発表がきょう、招聘元のKAJIMOTOより為された。
(出典:KAJIMOTO「テオドール・クルレンツィス指揮 ムジカエテルナ」公演中止のお知らせ」)
理由は「日本政府とロシア政府による新型コロナウイルス感染拡大防止のための入国制限措置により、EU加盟国在住の団員がロシアでのリハーサルと日本でのコンサートに参加できなくなったため」とのことである。
もう、世界中で人々の移動に制限がかかっているという未曾有の状況である。どうしようもないことなのだ…。(それなのに、旅行券を配ろうとしている政府って一体…w)
チケットは、発券手数料等も含めた金額が払い戻しとなるそうだ。以前も書いたように、僕はチケットを入手できたとはいえ、端っこの余り好きではない席だった。だから、手放すのが惜しいような、そうでもないような…。
KAJIMOTOによると「同じプログラムでの日本公演をなるべく早い時期に実現すべく、すでに話し合いを始めております」とのことなので、いつか再び来日が実現する折には、是非とも今回よりずっと良い席を取って待っていようw 今からそれを楽しみにしている。なあに、それで良いではないか…。また期待していますよ…。
(きょう3月26日は、図らずもベートーヴェンの命日。この日に、テオドール・クルレンツィスの来日ベートーヴェンプログラムが中止となる報が出たというのも、何かの奇縁だろうか?)
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