ゆうべは久し振りの月食が見られる夜だった。僕は月食がある度にニコン P900で写真の撮影を行い、このブログに載せてきたけれども、今回もまた例によって撮ってみようと考えていたのである。
この日は家族のために夕食を作っておかなければならなかったので、夕方頃から調理開始。月食は事前の情報によると午後6時9分から始まるらしい(下図をご参照)。よって、遅くとも6時までには諸々の用事を済ませておかなければならない。
僕は(自分の思うところでは)割と料理が得意な方で、時間を逆算で考えつつ、この日もサッサーと一汁一菜を予定通りに作り終えることが出来た。あと、お風呂もちゃんと洗っておいた。残った時間で、カメラに入れてあるSDカードの写真を整理。これで準備万端だ。
(出典:Facebook「KAGAYA Studio」)
さて、時計を見ると、午後6時になったところだ。三脚を外に出してP900を据えた。6時9分まではあと5分ほどあるけれども、レンズを月面に向けて液晶画面を見る。するとどうであろう。既に月は薄っすらと欠け始めていたのである。早速、一枚撮った。
それがトップの写真である。何であれ天体ショーが予告通りに進まないのは、よくあることだ。それが人為ではなく、天の差配によって運行実施されているからである。ああ、きょうもそうなのか…と僕はすぐに察した。
そんなわけで、予定(?)よりも5分早く始まった今回の月食である。その後は、撮った写真をiPad miniに取り込んで、SNSにアップするという作業を撮影の合間に行う。そこに英語で文言を付しておいた。すぐに「いいね」のマークが付く。
上は、P900のプレビュー画面を撮ったもの。午後6時9分から7時21分までの変遷である。部分食によって徐々に月は欠けてゆき、それが小さくなると、次は赤銅色の陰が出始めるのだ。これは、波長の長い赤色の光線が月面まで回折し反射する故であろう、と思う。
上は、プレビュー画面の中でも午後7時21分の写真を大きく出したものである。よく見ると、皆既食となった赤い月の左上と左下に白く小さな星が写っている。ゆうべの月食では、400年なにがしか振りに天王星が見かけ上、月と邂逅するということであった。
謂わば、月と天王星との食も発生するというわけである。天王星は6等級で、とても暗く肉眼ではほとんど見ることが出来ない。でもP900には写るはず。さて、どちらの星が天王星だろうか…。
上は、午後8時4分に撮ったもの。皆既がほぼ最大となった頃合いだろう。すっかり赤銅色に染まっている。肉眼では、ここまで赤くは見えず、ただ薄ぼんやりと黒っぽいような月の陰が円く虚空に浮かんでいる、といった風情であった。
そして、午後8時42分。左側から再び光が発せられて、月の復活となった。ここからは、満ちる月となっていくのだ。下の写真は、その後の変遷をP900のプレビュー画面で出したもの。右上に向かって月面が白く増大していく様がお分かりになるだろうと思う。
今回の月食、最後の一枚は下の写真。午後9時51分に撮った。もう予定時刻を過ぎているw 実際の月食の終了時刻は、この直後なので、9時53〜54分頃だったのではなかろうか。つまり、始まりも終わりも、事前の予測より5分ほど多くなったというわけである。
そんな感じで、合わせて10分くらいは予定より長めに楽しむことが出来た今回の月食なのであった。撮影中、通りを歩く人々をたまに見かけたけれども、立ち止まって夜空を見上げている人は皆無であった。はて皆さん、天体ショーには関心をお持ちにならないのだろうか?
まあ、そんなことはいいとしてw、とにかく次のショーが楽しみである。ゆうべは天気に恵まれてラッキーだった。これからも、こんな風に夜空を観察していくことが出来れば、と願っている…。
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今回の撮影も含め、僕がいつも愛用しているカメラは、ニコン P900という光学83倍の超望遠レンズを搭載したコンパクトカメラです。一眼レフではないのですが、コンデジだからこそ、このサイズで2000mm相当ものレンズを積むことが出来たのだと思います。ニコン様、有難う!他社からは同コンセプトのデジカメが発売されていないので、唯一無二の存在と言っても過言ではないでしょう。
さて、下のリンクは、そのP900の後継機のひとつ、P950です。同じく2000mm相当の超望遠レンズを搭載しています。個人的には、今回のような月食などを撮るには2000mm相当で十分だろうと感じます。ただ、月面のクレーターや山脈、もしくは土星などの遠くの惑星を大きく撮りたいという向きには、後継機かつ上位機種のP1000というモデルもあります。こちらは3000mm相当(光学125倍)のレンズを積んでいるので、P900やP950より更にダイナミックな天体写真を撮ることも可能でしょう。
「Nikon デジタルカメラ COOLPIX P950」
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