NHK-FMの「きらクラ!」を聴いていたら…

僕は毎週、日曜日か月曜日には、NHK-FMの「きらクラ!」というクラシック音楽の番組を聴いている。
司会者が、タレントのふかわりょう氏と、チェリストの遠藤真理さんという、肩苦しさの全くない、楽しい番組なのだけれども、昨年は、なんと僕の投稿が読まれたこともあったりなんかして、すこぶる気に入って聴いているのだ。

…かと言って、単なる名曲ガイド的な通り一遍の内容ではなく、へーこんな曲もあるんだーとか、うわあ凄い演奏家だなあとか、僕にとって色々と発見がある、なかなかどうして聴き逃せない番組なのである。このブログでは後日の投稿で触れるけれども、僕がピアニストのヴァレンティーナ・リシッツァを知ったのも、この番組を通じてであった。

そして、昨日(…または今日の再放送)。
最初の曲目は、カプースチンというウクライナの作曲家のピアノ曲だった。演奏も、カプースチンという人自身だという。
僕は、これを聴いて驚いた。殆どジャズなのであるw

例えるならば、トミー・フラナガンとかハンク・ジョーンズとか、そういった大御所(…と言うか、おじいちゃん的な…)ジャズピアニストが弾く感じの曲なのだ。それが、一応クラシック系を謳う番組の一曲目に流れるなんて…。僕は、椅子から転げ落ちそうになったのであるw(…いや、よしなさいって)
まあ、確かに「きらクラ!」は、クラシックっぽければ何でもあり、みたいな番組ではあるけれども…。以前は、クラシックをアレンジしたロックやジャズ等も流れたことがあった、と記憶する。でも、このカプースチンは、既存曲のアレンジではなく、オリジナルのピアノ曲である。だから、尚更に珍しい。

早速僕は、この曲のCDを聴いてみたいなあ、と思いつつ色々と検索してみたら、この辺りの図書館には何処にも置いていないようなのである。がっかり…。でも、カプースチンの他の曲のCDなら、幾つか有るようだったので、借りてみることにした。
ちょっと調べてみたところ、やはりカプースチンは、こういったジャズのような作風の作曲家のようだ。でも、一応クラシック系でカテゴライズされている人なのだろうか?はてさて…。僕は、寡聞にして全く知らなかった、この「ニコライ・カプースチン」。今年で79歳なのだそうだ。存命でいらっしゃる。

上の動画を見ると、聴いた感じがジャズっぽいのとは裏腹(?)に、譜面は、何処となくだけれども、武満徹のそれに、雰囲気というか、音符の運び方が似ているように感じられる。世代も、武満徹とカプースチンは、ほぼ同じで、ふたりとも1930年代生まれである。これは僕の実に勝手な想像だけれども、ふたりは影響された元が同じ、もしくは、とても近いのかも知れない、という気がするのだ。

例えば(あくまでも一例として)、武満徹が、『リディアン・クロマティック・コンセプト』という、影響力の強い音楽理論書を、英語で書かれた原書を自分で訳して読んで勉強した、というのは有名な話だけれども、きっとカプースチンも、それを読んでいたのではないか。
でもまあ、絶対読んでいない、ということは、その時代などを考えても有り得ないだろうと思う。なんせ、親子以上に年の離れた僕でさえも、その本は(訳書だけど)何故か持っているのだから…w(ちなみに、下の写真の本です)

そんなこんなで、カプースチンのこの曲の印象が、僕にはとても大きくて、上のようにあれこれと考えながら、昨日の「きらクラ!」を聴いていた。
ところで、この番組には、実は今回、ゲストがいたのである。バロック系の有名な音楽家S氏の、息子さんである。息子さんもまた、お父上同様にバロック系の音楽家をされている。

でも、申し訳ないことに、僕には、番組冒頭のカプースチンの印象が余りにも強くて、このあとのS氏のことが余り頭に入ってきませんでしたよ…w
S氏は、どうやら凄い人らしい、ということは伝わったんですけどね…。きっと、有名音楽家の二世には誰であれ、僕はやっぱり関心が湧かない、というせいもあるね…。ゴメンなさいね…。

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トミー・フラナガンなどなど、大御所ジャズピアニストが一堂に会したコンサートDVD。トミフラをはじめ、このうちの何人かはもう鬼籍に入ってしまったのだろう、と思う。そんな意味でも、貴重なライヴ映像です。1993年、東京にて収録。全2巻。

『100 GOLD FINGERS-PIANO PLAYHOUSE- Vol.1』(DVD)
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