坂本龍一の最新刊と、グレン・グールドのトリビュート・イベント(GGG)の開催と…

トップの写真は、坂本龍一の最新刊、『龍一 語彙』。通販で注文しておいたものが、先日届いた。

先達ての投稿に書いたように、先週の土曜日、有楽町へ舞台挨拶つきのドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto:CODA』を観に行った。
そのとき、映画館の物販販売のコーナーに、この本が積まれているのを見たのである。僕はそれを、嗚呼もう発売されているのだなあ、と思って眺めた。調べてみると、丁度その日が発売日だったのだ。

そんなわけで、この本は映画鑑賞の良い記念になるだろうから是非買って帰ろう、と映画を観ている最中も頭の片隅で考えていたのである。しかし、帰りがけに買おうにも、売り場が混み合っていて買えなかったのだ。それがやっと入手でき、何より。

この『龍一 語彙』の中身は、ここ数年の色々なインタビューにおける、坂本龍一の発言をジャンル別に纏めたもの。数多の雑誌などを捲らなくても、取り敢えずこの一冊で間に合うので、非常に手間が省けてお得である。

加えて、これまで未発表だったインタビューからピックアップした発言も、幾つか収録されている。例えば、ドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto:CODA』のために行われたインタビューでの発言などなど。
約460ページもある大著で、十分に読み甲斐がありそうな本だ。僕は今、高倉健や作曲家・大澤壽人の評伝などを並行して読んでいる最中で、いま読む本がこれで3冊目になった。もう、只でさえ足りない時間が、ますます足りないぞw

さて、この本には、何処へ持って行っても読めるよう、僕は茶色のナイロン製カバーをかけた。それが上の写真。
チャックやポケットが付いているけれども、多分、元々はブックカバーとして作られたのではないのだろう、と思う。本当は、サニタリー用品の収納バッグなのかも知れない。

でも、単行本サイズの本の表紙と裏表紙が、左右のポケットのようなところに上手くスッポリと入ってしまう。だから、僕はこうしてブックカバーとして利用している。かなり便利である。
10年近く前になるけれども、100円ショップにこれが売っていて、茶色と黒色を合計3つ買った。その2色が売られていたのである。でも、その店は既に無くなってしまった。それっきり、この商品は何処に行っても、もう見かけなくなってしまったのだ。


さてさて、この『龍一 語彙』を読んでいて、興味深い記述を見つけた。P.355〜356の「ぐれん・ぐーるど【グレン・グールド】」の項である。そこに、このような語録が載っている。

2017年12月には草月ホールで、グレン・グールドのトリビュート・イベントをやります。2017年はグールドの生誕85年、没後35年という記念の年。グールドの生国のカナダの建国150年という年でもある。…

今年の9月と10月が、上に述べられているような、グレン・グールドの生誕85年と没後35年にあたる、ということは、僕も以前の幾つかの投稿で書いた。
また、今年の命日が、時恰も中秋の名月と重なっており、僕は月を写した動画に、グールドのピアノ演奏をコラージュしてみたものを作ったのだった。

僕の目を惹いた発言というのは、その部分ではない。興味深いのは、「2017年12月には草月ホールで、グレン・グールドのトリビュート・イベントをやります」の部分である。おや…もう来月のことではないか。

早速、ネットで検索してみた。確かに、そのようなイベントが開催されるのである。その名も、『Glenn Gould Gathering(GGG)』という。Gatheringとは、集会を意味する。下の写真は、GGGのサイトのスクリーンショット。


(出典:「GLENN GOULD GATHERING」)

そのページの最上段に、キュレーターとして、坂本龍一の名前が記されている。このページで間違いないだろう。いやあ、このようなイベントが開催されるとは、知らなかった…(汗。

坂本龍一は幼少の頃からのグールドファンであり、グールドの演奏をセレクションしたCDをリリースしたこともある。今回も、イベントのキュレーターの話を快諾したのだそうだ。
そこで、どのようなものにするのかを考え、グールドを再構築するような内容にしたのだと言う。グールドは、今やみんな知っている演奏家なので、普通のことをやっても詰まらないから、という訳である。


(『グレン・グールド 坂本龍一セレクション』の2枚)

具体的には、坂本龍一と親交のある海外アーティストとのコラボレーション演奏のライヴを行うのである。グールドの演奏をリワーク・リモデルするのだ。ここで僕は勝手に、「グールドをasync化したような趣向かな」と想像しているのだけれども、どうだろうか?
他には、グールドのアーカイブ映像や、グールドが好きだったという映画『砂の女』の上映も行われるようである。あと、坂本龍一や、浅田彰氏、グールド研究家・宮澤淳一氏などが登場するトーク・セッションもある。

なかなか盛り沢山な内容である。その分、チケットのお値段も張るようだ…。上のサイトを見ると、ライヴは8,500円とある…。うーむ、なかなか高いぞ(苦笑。一方、トークセッションは、1,500円。
あと、他には入場無料の催しもあるようだ。例えば、「エキシビジョン」や「関連作品上映」は、「無料」と書かれている。このあたりのものをブラブラと観て回るだけでも、きっと楽しめるかもしれない。

まあ、そんなこんなで、今月、来月、あと来年の1月と、坂本龍一関連だけでも、観るものが目白押しになってきてしまった。年の瀬かつ受験シーズンの只中に、時間のやりくりが大変そうだ。でも、どれも楽しそうなのである…。

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ひとつの項目が、1〜2ページの長さで書かれているので、時間の合間などに拾い読みするのにも最適な構成の本。僕は、そうやって時間をかけて読んでいこうと思っています…。

坂本龍一 著『龍一 語彙』
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