トップの写真は、先週のある日、午前中に撮った空模様。肉厚の雲が浮かび、陽射しが強い。まるで夏のようである。清々しくも感じられるけれども、暑いのはどうにも、苦手であるw
さて、普段利用している図書館のひとつから、先達てメール配信が届いていた。何やら、「『ナクソス・ミュージック・ライブラリー』をご利用いただけるようになりました」のだという。
「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」とは、ネット上で行われている、ストリーミングの定額制音楽配信サービスのひとつ。月額は、約2000円。これで、聴き放題なのである。
(スクリーンショットは、「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」より。以下同じ)
そもそも、ナクソスというのは、30年くらい前に香港で設立された、クラシック音楽のレーベルである。僕が最初に知ったのは、1992年頃に、池袋の東武デパートの中にあったHMVでパンフレットを貰ったときだったと記憶している。
グラモフォンやデッカ、ソニークラシカル等と比べて、ややマイナーな演奏家を取り上げているけれども、CDはその分だけ少し安価なのかな…というような印象だった。
そのナクソスが、音楽配信サービスを行なっているというわけなのである。しかも、この中で扱っているのは、ナクソスレーベルの楽曲だけではないのだ。ジャンルも、クラシックだけでなく、多岐に渡っている。
でも、上のスクリーンショットをご覧の通り、クラシック音楽の収録が圧倒的に多いようだ。僕は、図書館でクラシック音楽のCDを借りる機会がとても多い。でも、時には折悪く貸出中のことがある。
または、どの図書館にも置いていない、ということもあるのだ。FM放送で偶々耳にして、ちょっともう一回聴きたいだけなのに、貸出中のために何日間も待つことになる、というのはとても不便に感じていた。
勿論、聴きたい音楽のCDは買えば良いのだろうけれども、僕の場合、読みたい本や聴きたいCD等をその都度態々購入していたら、家計がその内に破綻しそうであるw
そんな訳で、地元の市立図書館のみならず、都内も含め、周辺の公立図書館には、いつも非常にお世話になっている思いなのだ。実に、有り難いことである。
そこに来て、この「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」だ。図書館で利用申し込みをすれば、音楽配信の利用料が不要になる。それでいて、クラシック音楽などがすぐに聴ける上に聴き放題。これは何とも有り難い…。
先日、図書館へ予約本の受け取りに行ったついでに、利用申し込みをしてみた。…と言っても、利用者カードを提示しただけである。図書館のかたは、クリアファイルの中から、下のような紙片の一枚を取り出し、僕に渡してくれた。
丁度、チロルチョコが置いてある辺りに、ユーザーIDとパスワードが印字されている。これを、「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」のトップページで入力を行えばいいのである。
ちなみに、このIDとパスワードは、ログインの翌日から14日間有効。つまり、約半月分なので、金額に換算すれば1000円分といったところだろう。そして、有効期限後に継続して利用したいときには、また図書館で新たなIDとパスワードを貰うことになる。
上は、トップページのスクリーンショット。右上に、IDとパスワードの入力欄がある。ログイン後は、利用者名が図書館の名前で表示され、楽曲の検索や再生を行うことが出来るようになるのだ。
但し、図書館経由で利用申し込みを行なったユーザは、プレイリストの作成など幾つかの機能が利用できないようである。本当は、気に入った曲目は後で簡単に聞き返すことが出来るよう、プレイリスト登録をしたいのだけれども、仕方がない…。
まあ、只で使わせて貰っているのだから、文句(?)を言ってはいけないw そのような快適機能がなくとも、このミュージック・ライブラリーは、非常に便利なのである。
例えば、下のふたつは、僕が初ログイン後、僕が早速検索して聴いてみた楽曲。ひとつは、このブログでもお馴染み、ヴァレンティーナ・リシッツァさま。数あるアルバムのひとつで、「ピアノ・レッスン」などマイケル・ナイマン作品を弾いたCDだ。
しかし、惜しいことに、上のスクリーンショットで見て取れる通り、音楽配信では抜粋なのである。つまり、このアルバムに関しては、全部を聴くことが出来るわけではないようだ。
でも、やはり演奏は大変に素晴らしい。ヴァレンティーナ・リシッツァらしく、ゆったりとして且つダイナミック、実に懐の深い演奏だ。「ピアノ・レッスン」は、映画のサントラよりも良い演奏家かも…。いっそ、CDを買ってしまおうか。そんな気にもなってくる。
もうひとつは、ラフマニノフ作曲の珍品(?)のひとつ、「ピアノ協奏曲 第5番」。この曲については、このブログでも以前取り上げたことがある。「交響曲 第2番」を、とある作曲家が、ピアノ協奏曲に編曲したものなのである。
僕は、その初演のCDを持っていて、よく愛聴しているけれども、実はもうひとつ録音が存在するのである。指揮は、マイケル・フランシス、ロンドン交響楽団の演奏。
この組み合わせでラフマニノフとくれば、当然ピアノはヴァレンティーナ・リシッツァさま、となるはずなのだけれども、この曲ではさにあらず。韓国人のキム・ジョンウォンというピアニストである。
この楽曲に関しては、僕が初演のCDを余りにも聴き慣れ過ぎているせいだろうか、上の演奏ではその差異が耳についてしまった。例えば、ある部分のテンポの違いなどである。
あとは、全体的に、演奏がバラけてしまっているように思う。つまり、息が合っていないのである。マイケル・フランシスも、今回ばかりはロン響を前にして本領を発揮し切れなかったような気がするのだ。
小さな声で言えば、こちらはCDを買わなくて正解だったかも知れない。一時は、買おうかどうかと考えていたのだけれども、出物が入手できなかったのである。このミュージック・ライブラリーで聴けて良かったと思う。
まあ、こんな風にして、検索しては聴き…を何回も何回も繰り返したのだった。まだまだ色々と聴いたのだけれども、紙幅が尽きつつあるので、このくらいに…。
この「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」は、全国の様々な図書館で導入されているようだ。もし、お近くの図書館で利用できるようでしたら、是非とも覗いてみて下さい。目くるめく音楽世界が広がりますよ…。
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ヴァレンティーナ・リシッツァ演奏のマイケル・ナイマン作品集。CDは、こちら。他にも、フィリップ・グラス作品集も聴いたけれども、そちらも流石のリシッツァさまであった…。どちらも、CDが欲しくなるなあw
『ピアノ・レッスン~リシッツァ・プレイズ・マイケル・ナイマン』
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