あの世界的に有名なギタリストが出版した「月面3-D写真集」のレビュー動画をレビュー。これ、欲しいなあ…

夢を見た。短い夢である。でも、内容はよく憶えている。

僕は実家にいた。休みの日に、家族で帰省したのだろう。大抵そうであるように、僕の弟も帰って来ていた。ふたりで、2階の部屋にある押し入れや天袋の片付けをしていた。
その部屋は、小学生の時分に、弟と一緒に使っていた部屋である。当時は、学習机を向かい合わせに並べ、二段ベッドも置いていた。今は、そのいずれもなく、ただガランとしている。

弟が踏み台に乗り、天袋から物を運び出している。それを僕が受け取って下に置く。小さなダンボール箱に入った雑多な物品ばかりである。部屋に敷かれたベージュのカーペットの上では、父が肘をついて寝そべり、僕たちの作業を眺めていた。
次々に引っ張り出される物の中に、変わった形のおもちゃがあった。ミニカーを走らせて遊ぶタワーのような形だけれども、男の子用ではないらしい。リカちゃん人形の絵が描かれていたからである。

謂わば、リカちゃんハウスのタワー版だろうか?踏み台の上に立つ弟から、僕は両手でそれを受け取りながら思案した。はて、誰が使ったおもちゃなのか?僕の娘は、お人形遊びをしたことがないし…。全く心当たりがないのである。
床に置いたそのときだ。ガラララァァァンという不思議な音がした。タワーのてっぺんの辺りが壊れて外れたらしい。その部分に描かれていたリカちゃんの顔が、微妙にずれた。

奇妙な音は、六畳の部屋じゅうに響き渡った。部屋だけでなく、天井裏まで木霊するかのように。すると、寝そべっていた父が急に起き上がったのである。余程に驚いたのだろう。
「おお。また、ねずみが天井裏に出たぞ!出たぞ!」と叫ぶ。実家では、以前からしばしば、天井裏からねずみの走る足音が聞こえることがあるのだ。父は、その音だと思ったらしい。

僕はタワーを指して言った。「違うよ。これを置いたときに出た音なんだ。ねずみじゃないよ」と。父は「そうか…」と言って、また寝そべった。僕はまた言う。「そう言えば、まだねずみは出るの?ちいーのトイレシートは使ってみた?」
ちいーのトイレシートとは、僕のねこの使い古しのシートのことである。ねずみの音に困っていた父に僕が、天井裏にねこの匂いのする物を置くと、ねずみがいなくなるって言うよ、例えば、使い古しのトイレシートとか、と教えたことがあったのだ。

それで、父にその使い古しを何枚か、試しに持って帰って貰った。それ以降、天井裏に置いてみたとか、効果があったとかいうような話を聞いていない。だから今、訊いてみたのである。
父は、黙ったまま答えなかった。その沈黙の間に僕は、嗚呼そういえば、ちいーが老衰で死んでしまったことをまだ、父にも母にも言っていなかったなあ…ということを思い出したのである。

僕の質問に対する父の返答を待たずに、僕は口を開いた。「あのね、お父さん。実は、うちで飼っていたねこなんだけれども、ついこの間、とうとう死んじゃってね…」
弟もここにいるから、この機会は丁度いいと思った。ねこ好きの弟は、僕の家に来る度に、ちいーのことを可愛がってくれた。でも何故か、ちいーは弟に警戒して威嚇ばかりしていたけれども。ふと、そんなときに目が醒めたのである…。


さて、前回の投稿の最後に、『Mission Moon 3-D』という洋書について少し書いた。著者のひとりは、ギタリストのブライアン・メイである。


『Mission Moon 3-D: A New Perspective on the Space Race (The MIT Press) 』

ブライアン・メイは、最近映画が公開されて話題の、クイーンのギタリストだ。僕は、ロックの方面は割と疎いので、クイーンについては余り知らない。ただ、ブライアン・メイが、天文学に関する領域の博士号ホルダーだということは以前から知っていた。

そのブライアン・メイが先達て、月面や米ソの嘗ての宇宙開発競争時代の写真を集めて、本を出版したのである。これは単なる写真集ではない。3-D写真集なのだ。ここが、大きなポイント。
残念ながら、日本語版はまだ出版されていないけれども、英国と米国において、英語版が既に出版されている。YouTubeでは、ブライアン・メイがもうひとりの著者と共にインタビューに答えている動画などが見つかった。

それらの動画の中には、米国で販売サイトを開いていると思しきYouTuberによる、レビュー動画もあったのである。今回は、そのレビュー動画をレビューしてみたいと思う。

この動画の中では、レビュワーの方が、本のページをペラペラと捲りながら説明をしてくれる。勿論、英語で話しているのだけれども、本の中身を垣間見ることが出来るのは貴重だと思う。以下、スクリーンショットを何枚か貼ってみたい。

ハードカバーの表紙を開くと、はじめの方はイントロダクションになっている。その中には、上のように、ブライアン・メイのページもある。近影もまた、3-D写真なのであるw 立体で拝見できるというわけだ。
ちなみに、後述の通り、この本には3-Dで写真を鑑賞するためのメガネ(ビューワー)が付属している。でも、僕が画面で試してみたところによると、そのメガネなしでも、裸眼で立体視が出来るのだ。

やり方は、嘗て日本でも流行ったことのある、ステレオグラムの裸眼立体視の方法と同じ。写真に顔を近づけて、ちょっと寄り目気味にみつめる。右と左の像が重なるようにピントを合わせる。重なったときに、写真が3-Dで見えるようになるのだ。
以下、動画のスクリーンショット画像でも、上の方法で立体視が出来る。もし上手く出来なかったら、画像を少し大きめに表示して調節すると上手くいくことがあるので、お試しあれ。

上の写真が、付属のビューワー。裏表紙の内側に収められている。このビューワーは、ブライアン・メイの設立した会社が開発したものらしい。天文学だけでなく、そのような研究もされているのである。

3-D写真は、上のように、右用左用の二枚ひと組で並べられている。米ソのロケットや、米国のアポロ計画および実際に月面で撮影されたものなど、写真の内容は様々である。

この写真集は、3-D写真だけでなく、米ソ宇宙開発時代の詳細な説明も多く書かれている。読むところも多い写真集なのである。但し、どれも英語なので、邦訳が待たれるところだ。
僕はもう、この本を近いうちに買う予定でいるけれども、入手した暁には、幾つかの英文を私訳して楽しんでみたいと思う。勿論、このブログでもその拙訳を載せるつもりだ。どうぞ、お楽しみに…。

さて、レビュー動画を用いて、この『Mission Moon 3-D』の中味をちょっと見てみたけれども、ページのサンプルや3-D写真をもう少し見たいという向きには、以下のページがお薦め。
勿論、こちらのサイトに載っている写真でも裸眼立体視を試してみることが出来る。動画のスクリーンショットでは上手くいかなかった方でも、こちらでは3-Dで見えるかも。
(尚、下の表紙の写真が、上のAmazonのそれと異なっているのは、英米の版の違いによるものである)


(出典:「The London Stereoscopic Company Ltd.」)

さてさて、今月はちょっと金欠(…死語?)なので、購入は来月になりそうだ。それとも、いっそのこと、クリスマスプレゼントととして、おねだりしようか、どうしようか…w

……

PAGE TOP