秋の夜長の読書と英語学習に、あの永遠の名作を原文で読む。これが実に便利至極な一冊なのだ…

9月に入ってからもう、10日ほどが経った。こうして今年も早々に終わっていくのだろうと既に予感させる。
夜明け前には、まだほの暗い南東の夜空にオリオン座が傾いている。周囲の明るい星たちと併せて、一足はやく冬の大三角形を形成していた。この世界の巡りは常に、緩慢で愚鈍な我々人類の動きより何歩も先を進んでいるように感じられるのだ。

先日、息子がお昼ご飯にマクドナルドを買ってきてくれた。月見バーガーである。
大学に入学して以来、彼の地のマックでずっとアルバイトをしている息子は、何故か先週このハンバーガーが発売になると勘違いして、買いに出掛けそうになっていた。そこを「まだだよ」と僕が止めたのである。

そして、発売日になって改めて買いに出たというわけなのだ。
息子は小学生の頃からずっと、マックといえばエビフィレオ専門というくらいにいつもそれを食べていたのに、月見バーガーをこんなにも欲しがるとは如何にも珍しい。二十歳を過ぎて味覚が変わったのかな?w

…というわけで、美味しく頂きました。月見パイは初めて食べた。今年の新商品だったのだろうか。中身は餡子とお餅。至って餡子に目がない僕にとっては、これまた有り難い商品であった。ご馳走様…。
(ちなみに、トップの写真は月見バーガーを食べた後に撮影。包装紙の中身は、実は空ですw)


さて、先週のすっかりと秋らしくなった日和。気温は25度を遥か下回ったようであった。全くもって夏が好きではない(むしろ好きでなければならない理由が見当たらないw)僕にとっては、このくらいの気候の方が実に好ましいのである。

前日は生憎の雨降りだった。まあ、秋雨(しゅうう)という言葉があるくらいなので、秋に雨は付きものなのだろう。
お昼頃、都内の仕事へ出掛けるために歩いていると、橋の下の大きな水路に白鷺を見つけた。浅くなったコンクリートの段に沿って、か細い歩みを進めている。餌となるような魚は、ここにはいないようだけれども…。

手持ちの旧くて小さなサイバーショットで白鷺を何枚か撮れども、何故かピンぼけばかり。ちゃんと写っていたのは、この一枚だけだった。そしてバッテリー切れとなった。
やはり、カメラは良いスペックのものを使いたいものだと思った。…と言っても、いつもニコン P900を持ち歩くわけにもいかないしなあ。やれやれ…。


さてさて、最近、かの名作『アルジャーノンに花束を』を英語原文で読んでいる。例によって、英検1級合格に向けた学習の一環なのである…と言っても、英検の読解問題に文学作品は登場しないので、これに関してはほぼ趣味で読んでいるようなものなのだw

この物語は、たとえば翻訳書を読んだことのある方であれば既にご存知の通り、冒頭の数十ページに渡っては、幼児ほどの知能しか持たないという32歳の主人公チャーリイの日記(経過報告書)が記されているため、誤字が非常に多い。
これは、英語の原文でも同様で、shouldがshoudと書かれていたり、writeがriteになっていたり…などなど。まあ、この程度であれば、読んですぐに正しい綴りが頭に浮かぶけれども、例えばcompositionsをcompushishensとなっているのはチト違いすぎるw

そんな訳で、『アルジャーノンに花束を』を英米で出版された原書で読み進めるのは如何にもハードルが高いのだ。でも、便利至極な本があるんですよ〜お客さんw
講談社の「ルビー・ブックス」というシリーズである。これは、行間にちょこちょこと単語の意味(というか、その文脈における日本語訳)が小さな字で載っているという、英語学習者のための文学シリーズなのだ。

これが、『ルビー・ブックス版 アルジャーノンに花束を』になると、チャーリイが書いた綴り間違いも逐一指摘しておいてくれるので、とても読み進めやすくなるのである。きっと、これは海の向こうに数多といる読者諸氏も喉から手が出るほど欲しいに違いないw

下の写真は、日本語訳でいうところの「けえかほおこく1 ー 3がつ3日」の部分である。どうでしょう?ちょっと字が小さいけれども、正しい綴りが全部書いてある。何と、DrをDr. に直すことまでやっている(Drは別に、点なしの表記もありだと思うのだけれども…)

僕は、これを読み進めながら、YouTubeで朗読の音声も聴いている。リスニング学習や音読トレーニングにも役立たせようという訳である。下の動画は、主人公のモノローグ風に読まれていて、とても楽しい。実に、お上手な朗読なのである。

確か、30年以上前に当時の版の翻訳書を購入して、いまも家の何処かにある筈なのだけれども、生憎とすぐには見当たらなかった。代わりに、図書館で借りた最近の文庫版と一緒にパチリ。

この文庫版には、作者であるダニエル・キイスの手による「日本語版文庫への序文」が巻頭に収録されている。これもまた、感動的な文章で昔からのファンの皆さまにも是非とも目を通して頂きたいと思うのだ。

こうして、日々の英語学習のついでに(?)文学作品の講読にまで手を伸ばしている。実に楽しいことである。「ルビー・ブックス」には、ハインラインの『夏への扉』など、他にも面白そうな小説が多い。いずれ、そういった他の作品も読んでみたいと思う。

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この「ルビー・ブックス」シリーズは、彼此20年以上も前から存在していたんですね。僕は寡聞にして、ちっとも知りませんでした。もう、新作は長いこと刊行されていないようですけれども、講談社におかれては、またこのシリーズを復活させてくれいないものかなあ、などと思うのです。例えば、カズオ・イシグロの作品は如何でしょう…?

ダニエル・キイス 著『アルジャーノンに花束を』 (ダニエル・キイス文庫)
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