トップの写真は、真上から撮影した、外遊び中のうさぎ。梅雨の中休みのような天気の日で、うさぎを放しておくには打ってつけである。草の上をぴょんぴょんと跳ね回っている。
それから、日干しのために外に出しておいた、うさぎの段ボール箱の中へ、時折ジャンプして飛び込むことがあるのだ。あれ、もう帰りたいのかな?と思って眺めていると、暫くして今度は箱の外へ出る。
そうやって、段ボール箱の内外を何度もジャンプして出入りするのである。きっと、これはうさぎにとっての新しい遊びなのだろう。また、天気の良いときを見計らって、外に出して遊ばせてやろう、と思っている。
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さて、実質的には前回の投稿の続きというか、書き切れなかったことについて。コルグのFM音源ガジェット、Volca FMでDX7の音色を利用する方法についてである。
これに関しても、先達ての週末、例の平壌発のシンガポール行きの旅客機をウォッチしながら、ネットで色々と調べたり、試してみたりしながら得た内容である。備忘録代わりとして、ここに書き置いてみたい。
シンセサイザーの世界では、’80年代の特にヤマハのDX7が登場したあたりから、機器間の相互通信用としてMIDI(ミディ)という統一規格が普及した。これは、電子楽器における所謂デファクトスタンダードとして、今でも広く利用されている。
これによって、例えば、シーケンサー(自動演奏用のコンピューターのようなもの)を用いてシンセサイザーを鳴らしたり、あるシンセサイザー(またはキーボード)から別のシンセサイザーを制御して発声させたり、ということが簡単に行えるようになったのである。
また、MIDIで通信される信号の中には、単に音階や鍵盤のオンオフのタイミングを知らせるものだけではなく、音色などの切り替えのための番号や演奏に表情を加えるためのデーター(鍵盤を押した強さなど様々)も含まれている。
更には、あるシンセサイザーだけを排他的に制御出来るという種類の信号も、MIDIで通信できる。その種の信号を、システムエクスクルーシブという。例えば、DX7には、DX7専用のシステムエクスクルーシブがあるのだ。
そして、コルグのVolca FMが凄いのは、このDX7専用のシステムエクスクルーシブを読み込むことが出来るということなのである。これについては、添付の(ペラ紙一枚の)マニュアルに、たった一行だけ(ちょっと分かりにくく?)書かれている。
まあ、DX7互換を謳った製品なので、システムエクスクルーシブくらい読み取れて当たり前だろう…というご意見もあるのかもしれない。その通りであるw でも、それが何と実に有難いことか…。
DX7は、世界でいちばん普及したデジタルシンセサイザーのひとつなので、今でもネット上には、システムエクスクルーシブの音色データーが多数転がっているそうだ。
Volca FMは、本体に内蔵されている音色を、つまみを弄ることによってエディットするというのが、(少なくとも僕にとっては)とても便利な使い方なのである。
従って、手持ちの音色データーが、沢山あればあるだけ有難いのだ。そこで、DX7のシステムエクスクルーシブ、というわけなのである。さて、これをどうやってVolca FMに流し込むのか?
ちょっと調べてみたところ、「DEXED」という音楽制作ソフト用のプラグイン(VSTという)を使うのが一般的なようである。DEXEDは、PC上でDX7を再現するための一種のフリーソフトのようなものだ。例えば、下のようなサイトで紹介されている。
(出典:『あちゃぴーの自転車通勤 VSTi DEXED(DX7クローンFM音源)』)
でも、残念ながら、僕のオールドWindowsPCの音楽制作ソフトは、このプラグインを認識してくれなかった…。
ちなみに、上のサイトには、ページの中ほどに、DX7の音色データーが(カートリッジ4本分も)システムエクスクルーシブの形でアップされていたので、それは取り敢えず頂戴し、解凍しておいた。
そんなわけで、思いがけず音色データは入手できたのだけれども、Volca FMへどうやって入れてやればいいのか?すると、VSTを動かすための別のフリーソフトが存在することに気づいたのである。
(出典:『VSTHost』)
その名も、「VST Host」という。VSTは普通、音楽制作ソフト上で使うものなのだけれども、態々そういったソフトを立ち上げなくとも、簡便にVSTを利用できるようにしたというフリーソフトである。何ともまあ、有難い…。
早速、このVST Hostをダウンロードしてみたところ、このソフトは僕の旧いPCでも無事動いたのである。ああひと安心、と思ったら、落とし穴が…。このVST Hostをもってしても、DEXEDは上手く動いてくれなかったのである。
具体的に言うと、上述のサイトで紹介されたような形の(黒くて格好良い)ウィンドウで表示されなかったのだ。何というべきか、非常に簡略化されたような表示になってしまうのである。従って、システムエクスクルーシブを扱うことも出来そうにない。
何だ、これは困ったなあ…と思っていたら、DEXEDではなく、それを動作させているVST Hostの方にとても便利な機能があることに気づいた。何と、プラグインを使わずとも、これ単独でシステムエクスクルーシブを流すことが出来るのである。
「Window」メニューの中に、「SysEx Window」という項目があり、それを開くと、上のようなシステムエクスクルーシブのファイルを開くためのダイアログになる。
ここで、先程ダウンロードしたDX7の音色データーの中に入っているsyxファイルを指定してやると、あらまあ、ズラッと16進数の文字列が表示されるのだ。これは、紛うことなきシステムエクスクルーシブデーターである。おお、やっと出たw
あとは、PCのUSB端子に接続したMIDIインターフェイスを通じて、Volca FMに流し込んでやれば良いのである。「Send/Receive」ボタンをポチッでオッケイ。
すると、Volca FM側の電光表示に一瞬、英字でシステムエクスクルーシブ云々と表示されたかと思うと、数秒後には、DX7の1番目のプリセット音色であるBRASS1の音色名が表示される。やった、DX7化の成功だw
(出典:『YAMAHA DX7 COMMERCIAL SOUNDBANKS』)
あ、そうそう、これを実行すると、Volca FMに入っていた32音色は全て、DX7のそれに置き換えられてしまうので、もしご自分で作った音色を保存してあったら、事前に音色データーを別途保存しておくか、パラメーターを書き出しておいて下され。
DX7のカートリッジには64音色が入っているので、それが4本分=計256音色のデーターがこうして利用できることになったのだ。(多分、この256音色の中には、幾つか重複があるだろうと思う。だから実数はそれよりやや少なめかも)
加えて、もしどこかでまたDX7のエクスクルーシブデーターをネット上で見つけたら、上と同じ方法を使ってVolca FMに流してやれば良い。これでグーッと、Volca FMの可能性が広がるのだ。
…というわけで、Volca FM弄りがますます楽しくなるw もし、僕のようにVolca FMとオールドWindowsPCをご利用の向きがおられたら、参考になさって頂ければ幸いである…。
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