先達て、米国のAmazonで初めて買い物をした。つまり、Amazon.comの方である。
今までは、米国や英国などから取り寄せる場合、日本のAmazonで出店されているショップから買うことが多かった。購入の手続きなどが日本語で出来るし、簡単だからだ。
でも、今回は、その方法で買おうとすると随分と割高だったのである。そうではなく、米国で直接取り寄せた方が安く済むことに気づいた。そこで意を決して、Amazon.comのアカウントを作り、注文をかけたのだ。
品物は、16枚組のCDボックスである。送料を入れて、3000円ちょっとだった。
『1日1ページ、読むだけで身につく 世界の教養365』という本の原書たる『The Intellectual Devotional』の朗読CDなのだ。この書籍を英語の音読トレーニングに活用しようと考えたので、その一環としてCDも買うことにした。
何せ、1年分の教養コラムが載った本なので、朗読の分量も物凄く多い。CD16枚には、全部で20時間以上も収録されているのだそうだ。そのCDボックスが、発送から1ヶ月以上かかって漸く届いた。
いやあ実に長かったなあ。まあ、人や物の往来が滞りがちな(もしくは不可能な)コロナ禍のご時世だ。無事に届いたというだけでも良しということなのかも知れない…。
早速、PCで2時間半程かけ、全CDの全トラックをMP3化してプレーヤーに入れた。既に原書は図書館から借りてある。しかし、それもじきに買うだろうと思う。
準備はバッチリだw すぐにでも音読トレーニングのメニューに入れていこう(…と言うか、既に取り入れている)。大いに待っただけあって、とても楽しみなことである。張り切っていくぞ。
さて、下の動画は、くだんのCDの試聴音声。最初の2日分を聴くことが出来る。
僕は、これを聴いて購入を決めた。1日目は古代エジプトにおけるアルファベットの成り立ちについて。2日目は、ジェイムズ・ジョイスの小説『ユリシーズ』について。それぞれ3分くらいの朗読。
特に、1日目のアルファベットに関する朗読音声は、比較的聴き取りやすいと思う。このまま一聴して8割ほどの内容が理解できれば、英検準1級のリスニング力はあると思って良いだろう。
もし、もっと速度を上げて聴けば、1級のリスニングレベルといったところだろうか。かたや、2日目のユリシーズは、1日目に比べて内容が遥かに難しい。ひょっとすると、1級レベル以上かもw
…
さてさて、上に書いた『The Intellectual Devotional』だけれども、今月のはじめ、こんどは日本のAmazonを通して英国の書店にハードカバーの原書を注文しておいた。古本で安いものを見つけたのである(今までは、図書館で借りてコピーして使っていた)。
送料を入れても定価の半額くらいだった。それが先日、届いたのだ。今回は到着予定日の範囲内で、しかも注文からたった2週間ほどで着くなんて、ちょっと珍しいことかも知れない。
さて、手に取ってみると、プチプチのシートで別段くるむわけでなく、裸本のまま、薄いナイロン製の封筒に入れてあった。しかも、封に対して天地が逆さまにw
まあ、エコと言うべきか、大まかと言うべきか、日本とはちょっと異なる、謂わばカルチャーギャップ(?)のようなものを感じるのである。こういった点も海外通販の面白さのひとつだ。
それから、この本の厚い表紙を開いてみてアッと驚いた。扉のページに、10行くらいの為書きが記してあったのだ。勿論、英語で…。
青インクの万年筆で書いたようだけれども、これまた相当な達筆で(苦笑)よく読み取れないくらい。持ち主だった人は、貰い物のこの本をあまり読まないうちに売ってしまったということになる。本文のページは全くもって綺麗だったからだ。
この達筆を何とか読んでみると、どうやら「レッドクロス」という名のクイズ研究会のような集まりで配布された一冊だということが分かった。
青い万年筆の文章には「我々がクイズで勝つのに役立つ本」云々といったことが書かれていたからだ。確かに、様々なジャンルの知識を獲得できる趣向の書籍なので、クイズ大会の対策には打ってつけだろう。
ちなみに、僕が注文したときAmazonに載っていた商品説明では、5段階中4の「良い」というコンディションだった。そのように1ランク下げてあったのは、この為書きのせいだったのかも知れない。お陰で安かったのだけれども。
これもまた面白いので、残したまま愛読していこうと思う。自分が誰かに贈った本が知らぬ間に売られ、遠い異国で英語学習の為に用いられているなんて、万年筆の主(筆跡を見るにきっと左利き)は考えもしなかったに違いない。
青い万年筆さん、大丈夫。僕はこのページを破って捨てたりなんかしないから…どうか安心し給えw
そういえば、この『The Intellectual Devotional』を、今回購入したものと図書館から借りているものと並べて少々眺めてみた。裏表紙のバーコードが微妙に異なるなどの差異があるのだけれども、いちばん違うのは、リボンのように太い栞紐の位置だった。
図書館で借りた方は、上から見ると背の端っこの方から生えているのだ(写真右側)。僕が買った本は、ほぼ真ん中に付けられている。こんなところにも、欧米流の大雑把さというか鷹揚な感覚を感じるのだった。実に、面白いことである…。
……
この『The Intellectual Devotionai』シリーズは大変好評だったようで、原書の米国でも日本語版でも、続編が幾つも出版されています(『人物編』『現代編』など)。また、日本国内では「教養365」と銘打った類書が他の出版社からも出ています。前回の投稿でご紹介した『365日で知る 現代オタクの教養』もまた、そうですね。
下にリンクした『日本の教養365』は、日本語版の「世界の教養365」シリーズを出版している文響社が出したものです。多分、このシリーズの日本オリジナル版も読者からずっと要望されていたのでしょう。僕なんかはいっそ、この本の中身を英訳して逆輸入的に米国でリリースしてみたら面白いのではないか、などと考えてしまいます。いずれにせよ、この『日本の教養365』も手に取って読んでみたいと思っています。
『1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養』
……