ゆうべ、天駆けるISSの軌跡を撮った。あの搭乗者氏も、きっと日本列島を眺めておられるのだろうと思いつつ…

トップの写真は、きのうの夕方5時半に撮ったもの。このとき南西の空には、ほぼ等間隔で下から金星、土星、木星と一直線に並んで見えた。
木星のすぐ下には月が控えている。これは三日月と言いたいところだけれども、暦の上では謂わば「六日月」といったところなのである。でもまあ、そんな名称は存在しないのかも知れないw

それから、木星だけが入るくらいに寄せて撮ると、上のように地球照が上手く写ってくれた。
また、ニコン P900お得意の超ズームでは大小様々なクレーターが観察される。名も無き形の月とは雖も、この様に見所が多いのである。実に良い姿をしているなあ、と思って眺めた。

そんなとき、北西の遥か彼方から南西へとぼんやりと近づく黄色い光の玉があった。ISSである。最大の仰角高度は50°弱、木星の上を掠めていく。
P900のタイムラプスでこれを撮る。合計で約1分半ほどの断続的なバルブ開放だ。その分だけ、星たちが日周運動をしている。余談ながら、シャッターを切る瞬間にちょっとブレさせてしまったので、撮影後に写真を少々修正した。

ISSには目下、かの有名な日本人アントレプレナー氏が搭乗中だ。きっと、光眩い列島の形を天上から眺めていたのではなかろうか、と想像する。
この宇宙ステーションの退役が近づく中、良い記念の搭乗となったのではなかろうか?その点だけは、ちょっとだけ羨ましくもあるのだった…。


さて、先月の投稿にも書いたように、英検1級向けのオンライン勉強会に参加している。
これは主に日曜日に開催されているのだけれども、僕は都合がつけば出来るだけ出席するようにしている。この会は会費などは無く、何と一切無料なのだ。有難いことだと思っている。

老若男女20名以上いる受講者に指導をしてくれているのは、元国連職員で現在はオランダの大学に所属して研究をしておられるという方だ。日本人男性である。
開発学という領域の博士号ホルダーで、英検1級など最高ランクの英語資格も既に複数取得済みなのだそうだ。月並みに言って、かなり凄い方なのである。我々は「ドクター」とお呼びしている。

先日も色々と我々に教えを頂き、会の最後にドクターが締めくくりとして一言添えた。「こうして皆さんの書いたエッセイ(A4一枚程の課題英作文)の中で、私が最近どひゃーとぶったまげたものがありましてね…」と言われるのである。
「…それは、あなたの書いたポリガミーに関するものです」と、僕の名を挙げて仰ったのであった。ポリガミー(Polygamy)とは、一夫多妻制のことである。

先月、僕はそれについて敢えて賛成の立場で英作文して提出した。その際、ドクターはコメント欄に「Well written」(良く書けています)などなどといった、いつも通りの賛辞しかお付けになっていなかったのである。まさか、ぶったまげておられたとは思ってもいなかった。

僕の書いた論調とは、下の英文にある通り、「一夫多妻制に賛成だけれども、それは夫を戦争などで亡くした女性に対する救済であり、妻が多い家庭は家事や育児の負担を分け合うことが可能であり、またお金持ちの家でたくさん生まれた子供たちは豊かな教育を与えられ、いずれその国家の基盤となる人物に育つだろうものである」といった内容だった。

つまり、僕は男性側のみの目線ではなく、飽くまでも女性側にもメリットがあるという一側面に基づいて一夫多妻制を論じたというわけだ。多分、この視点やら着眼がドクターの想定外で、「ぶったまげた」ということに繋がったのかも知れない、と思う。
念のために述べると、僕は個人的には、一夫多妻制に賛同する立場にはない。今回は、英検1級レベルの英作文学習のために敢えてこのような内容を書いてみたというわけである。まあ、何にせよ、ドクターから褒められたようで、それは実に有難いことであった…。

…とは言っても、僕には学ぶべきことがまだまだ数多くある。英検1級レベルのエッセイを確実に書けるようになるには、日本国内のみならず国際的な事象にも及ぶ、実に幅広い見識が必要なのだ。
例えば、政治経済、科学技術、文化文明、歴史や地政学、権利義務と戦争や犯罪についてなどなど、挙げればキリがない程だ。所謂、背景知識というべきものを広範に備えるための学習も求められている。

それらをひと通り、如何なるテーマでも即座に自分で思考して、英語で自在に(当然ながら至極論理的に)書けるようにならなければならない。
加えて、二次試験を突破するためには、口頭でも似たようなことを(これも論理的に)表現できるようになっておく必要もある。つまり、解答用紙に書くだけではなく、その場ですぐに語って聞かせられるようなスキルも求められているのだ。

我ながら、実に大変な勉強をしているのだなあ、と感じ入るのだけれども、僕は何故か「嫌だ」という気はしていない。面白くて、楽しくて仕方がないのである。
それは、自分に合った良い学習方法や書物などに幾つも恵まれているからなのか、ドクターのような良い師がおられるからなのか、会の同志がいるからなのか、それはきっと全部なのだろう…。

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Topic: Should polygamy be legalized if the consents of all involved are available?

It is a highly controversial issue whether or not polygamy should be legalized if the consents of all involved are available because this subject extremely depends on its country, era, religion, etc. Personally, however, I believe that polygamy could be acceptable for the three reasons as below:

Firstly, polygamy has been adopted since ancient times as a system of relief for women in certain situations, and it is possible today. In those days, for example, it was not uncommon for many men to die in wars. If not so, they would be killed by beasts in hunting or by a fatal disease. Even today, in countries where welfare policies for women are not fully developed, polygamy can be one of the practical solutions to provide relief to alone women who have lost their husbands.

Furthermore, another advantage of polygamy is that it would reduce the burden of housework per woman. In several countries, it is usually wealthy men that have multiple wives, and this kind of affluent family may have a large amount of housework and a lot of children. Then, for example, elder wives with rich experience of parenting can take care of the younger wives’ children, if they live together, while the younger wives can contribute with physical household chores.

Last, polygamy can be considered as one of the personal measures for the improvement of the birthrate and the education. If people are needy, it is difficult for them to raise even a few children to be educated well. On the other hand, however, wealthy men can give their ten or whatever children higher education. Eventually, these children will be able to support the foundation of the country in the future.

Considering the above reasons, it would be rational that polygamy should be legalized if the consents of all involved are available.
(303 words)
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下のリンクは、今月読んでいる本。先達てもご紹介した、熱血英語指導者である植田一三さんの別の一冊になります。こちらも英検1級レベルを対象にしていると思うのですが、それだけでなく他の英語上級資格も踏まえた対策方法などが述べられているのが特徴でしょう。つまり、高水準の英文ライティングを目指しておられる方を広く対象としているというわけです。
解説の文体は熱く語りかけてくるようで、僕などにはもう読むだけでモチベーションが更に上がる気がする程です。本書でもやはり幅広い分野の知識や見識を持つよう強く勧めておられます。実際にこの一冊でもかなりのことが学べるでしょう。しかし、それでも全てではないので(植田さんの他の著作も含め)多くの書籍にあたり、英文ライティング技術のみならず広範な背景知識もまた日英両方で獲得していくべく精進したいと考えています。

植田一三 著『英語ライティング 至高のテクニック36』
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