トップの写真は、英検1級の過去問である。12月の末から2週間ほど、大晦日やお正月も含めて、毎日過去問に取り組んでいる。
僕は彼此3年近くも、この英検1級の勉強を殆ど毎日まるで亀の歩みのようにしてやり続けている。その殆どが、対策用の単語集であったり問題集であったりするのだけれども、このレベルになると何でも教材になり得る。
従って、ときにはインターネット配信の海外ラジオ放送であるとか、英語で配信されているニュースや動画も用いてきた。他には英字新聞や英語に翻訳された聖書などの書物などなど。英語でありさえすれば、もう何でもオッケイなのだw
そんなわけで、謂わば英語世界を泳ぎたいように泳いできたのである。全ては、英検1級に合格できるだけの英語力を身に付けるためなのだ。そして、その集大成的な存在が英検1級の過去問なのであった。
実際にやってみると、流石に難問揃いだと感じる。問題冊子の冒頭にある、短文の空欄に当てはまる単語や熟語を4択で選んでいく語彙問題(25問)については、僕はほぼコンスタントに8割以上を正解できるので、これは合格レベルと思って間違いないだろうと思う。
しかし、ときに苦戦するのはその後なのだ。全8ページに渡る長文の読解問題群である。この問題になると、ただ単に読めれば良いということではなくなってくる。長い文章のテーマは実に何でもありなので、読みこなすための知識や教養も求められるのである。
例えば、近現代の政治、サイエンスや医療、歴史や人類学、文化や芸術などなど、一体こんなに幅広いテーマの文章を幾つも何処から集めてくるのだろう?と思う程に様々な内容の長い文章が問題文として縦横無尽に使われる。
もちろん試験なので、そういった文章を読んだ上で、設問に答えなければならない。これも4択なのだけれども、いずれの選択肢も、文法が入り組んだ文体で書かれており、内容も実によく抽象化されている。一見してどれが正解なのか分かりにくくしてあるのだw
その選択肢を注意深く読んだ上で、自分の答えを一問一問決定していかなければならない。しかし、ただでさえ制限時間がギリギリに設定されているので、出来うる限り即決することが必須なのだ。こんな読解問題が文章で5つ、設問で16問も用意されている。
上の写真は、そんな長文読解の最終問題ページ。英字新聞のような段組と文字の大きさで、見開きにレイアウトされている。問題数は4問。この2ページは普通、15〜20分以内で読んで解答しなければ間に合わないだろう。
そして、この次のページには英作文問題が待っている。英作文といっても、英語アカデミックライティングのルールに基づいた、謂わば小論文問題なのである。このページに一言だけ書いてあるトピックに関してA4で1ページ分、自分の意見を書くというわけなのである。
ここまでで100分。余程の英語の達人でない限り、頭と目を駆使してクタクタに疲れ始めている筈だ。しかし、試験はまだ終わらない。次にリスニングテストが続くからである。時間は30分ほど。4種類の問題が登場する。
Part1は男女の日常会話が放送され、その内容に関して4択で解答するというもの。問題によっては3人の人物が登場する。これは10問。Pat2は説明文のナレーションが5つ。読解問題と同様、文章のテーマは文系理系問わず様々。これも10問(ひとつにつき2問ずつ)だ。
Part3は、リアルライフと呼ばれている種類の問題で、コンサートホールや映画館のアナウンス、留守番電話のメッセージ、観光地や学校などのインストラクションといったような実地を模したような音声が問題として使われる。これも4択で、5問用意されている。
最後のPart4は、インタビュー問題と言われているもので、ラジオ番組のインタビューコーナーのような、3分半くらいのマシンガントークの音声が流れてくる。これに対して2つの問題に答えるのだ。これも4択なのだけれども、やはり選択肢は抽象化されているw
そんなこんなで2時間に渡って解答し続けるのが、英検1級の1次試験なのである。これに受かれば合格!といきたいところなのだけれども、まだ終わらない。これに通ったら、約1ヶ月後には2次試験が待っている。謂わば、この大変な1次試験は予選というわけなのだ。
2次試験は、スピーチである。その場でトピックが与えられ(もちろん何が出るのか事前には分からない)1分間で話す内容を考え、2分で自分の見解を英語で述べるのである。その後は、ふたりの試験管を相手に、そのトピックに関するQ&Aセッションを幾つか行う。
…といった感じで、幅広い教養や背景知識に基づいて、英語の4技能を試されるというのが英検1級の姿なのだ。流石、この国の英語の資格試験の中で、最高峰に君臨するもののひとつとして数えられるだけのことはあると唸りたくなる程に難関だ。
合格率は9%とも10%とも言われている。殆どの合格者は、3回くらいかそれ以上の回数の挑戦で受かっているようである。そんな試験に対応するための勉強を僕はずっと続けてきているのであった。でも、苦にはならなかった。今でも楽しいと思っている。
気がついたら、英検1級をご紹介するだけで2000字を使ってしまったw お読みいただいた代わりにと言ってはなんですが、最後に先達て撮影した、今年初めての満月(正確には完全な満月より数時間ほど前)の写真をお楽しみ下さい…。
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