昨夜、中秋の名月を撮った。その映像に、ピアノのあの名演奏をのせて…

トップの写真は、今日のうちのねこ。

近頃だいぶ涼しくなってきて、ねこにとっては、いつも何処かで暖まっていたい時節なのだろう。日中はよく日向ぼっこをしているし、僕がソファに座っていると、よじ登って来てしがみ付くことがあるのだ。
そのときを見計らって、片手で持ち上げて撮った。これならば、顔を背けようもないだろうw 秋も深まりつつあり、ますます食欲旺盛な、うちのねこなのである。


さて、昨夜は中秋の名月だった。

塾の仕事は、夜からであったので、行く道すがら、昇りつつあった月を眺めた。それが時折、雲にかかるのである。朝5時前の天気予報では、「午後からすっきりと晴れます」等と、気象予報士の方が断言しておられたのだけれども、実際には夕方を過ぎてもなお曇天だったのである。

しかし、雲間から垣間見る名月も、趣があった。月光は雲に抑制され、その色は白に灰色に変化する。すっかり埋もれて何も見えなくなってしまうこともあった。ただ、光だけが雲の背後から洩れるのである。
そんな有様は、まるで海原を過ぎる一艘の小舟である。実際に流れているのは雲の方であるのに、名月がそれらの間を、浮き沈みしながらも、駆け抜けているかのようだ。

9時半を過ぎても、雲は相変わらず西から東へと流れ続け、月はその中を出たり消えたりしている。僕は、帰宅の途を急いだ。
家に着くと真っ先に、三脚に据えられた自作の望遠鏡を取り出し、iPad miniを載せた。少々焦りながらも、何枚かのシャッターを切った。それに併せて、動画の撮影も行なった。

今年の中秋の名月は、正確に言うと、満月ではない。これは、先達ての投稿でも書いた通り。月齢が少しばかり噛み合ってくれなかったのである。全体的にちょっと楕円気味に見えるのは、そのせいだろう。
満月ではないので、撮影した写真をよく見ると、欠けている部分でクレーターを観察することが出来る。向かって左上の辺りだ。幾分ボコボコしている。

名月は時折、雲からすっかり抜け出て、煌々とした姿を見せるときもあったのだけれども、今回は敢えて、このような雲のヴェールを纏った姿を主に撮ってみた。

そして、動画である。月が動き、雲が流れる。その映像に、『ゴルドベルク変奏曲』の最後の曲、『アリア ダ・カーポ』をアフレコしてみた。グレン・グールドの1981年の録音だ。

この81年録音の『アリア ダ・カーポ』は、グールドの『ゴルドベルク変奏曲』のアリアの中でも、テンポがいちばんゆっくりとしているので、月の動きに合うだろうと思って選んだ。
(編集作業には、以前も利用したことのある、『俺の編集』シリーズのアプリを使った。トリミングからアフレコまで、このシリーズのアプリで一通りのことが出来るのだ)

昨日2017年10月4日は、こうして中秋の名月の晩であると共に、グールドの35回目の命日でもあった。月とピアノの音は、実によく合う。グールドの、こんなゆったりとした演奏ならば、殊更に…。

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グレン・グールドと言えば、まずはこれ。『ゴルドベルク変奏曲』は、55年録音の盤もありますが、81年の方がテンポがゆっくりめ。秋の夜長にのんびりと聴くのならば、こちらの方でしょう。上の動画の曲は、この盤の32曲目です。DVDもリリースされており、そちらもお薦め。

グレン・グールド(ピアノ)『J.S.バッハ:ゴールドベルク変奏曲』(81年デジタル録音)
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