ひとつの旅が終わった気がする…そのような大晦日が行き過ぎ、新たな一年が再び始まろうとしているのだ…

トップの写真は、テレビ東京のジルベスター・コンサートの中で行われたカウントダウン。2019年になった瞬間、というわけである。

今回は、指揮者が演奏中の曲(ヴェルディの「アイーダ」から一曲)のお終いを何秒も(追記:15秒くらい)ずーっと引っ張って延ばし、ゼロになる瞬間を調節していたw それは観ていて、とても面白かった。
前回は、別の指揮者で別の曲(ムソルグスキーの「展覧会の絵」の中の曲)だったのだけれども、ほぼぴったりに曲を終わらせてゼロを迎えていたのを覚えている。あれはあれで、実に見事であった。


さて、それから数時間前。大晦日の夕食は、毎年恒例のカニ鍋であった。僕は、この日のこの時間帯にやっている、例の歌番組は余り好まない。従って、代わりにCDをかけながら、年の瀬の晩餐にありついた。
音楽は、武満徹である。なかでも、映画やドラマのために作られた音楽を集めたような、比較的聴きやすいものが収録されているCDだ。日本的情緒が溢れ、年末年始の雰囲気によく似合うのである。

すると、カニをせっせと啜っていた午後10時ごろ、有料配信メール「勝谷誠彦の××な日々。」の最終メールが届いたのである。勝谷誠氏の逝去によって、今年いっぱいで一旦終了ということになったのだ。
音楽は時恰も、ハワイの海をテーマにしたドラマの曲「波の盆」であった。谷川俊太郎氏が「甘美極まりない」と独自の表現で激賞した、武満徹の手による名曲のひとつである。

配信メール最終号のタイトルは、まるでその音楽に合わせたかのように、「勝谷丸で旅をしてきたあなたへ」というものであった。甘く美しい旋律が流れる中、このセンチメンタルな表題。その邂逅に、僕の中では何か込み上げるものがあった…。
そして、メールの最後の方には、発行人のヨロンさんから「今日で、この船『勝谷丸』から、多くの旅人が旅を終え、それぞれの生活に戻っていきます。今まで一緒に旅をしてくれてありがとうございました」との言葉があった。

成る程そうか、これは旅だったのだ…。僕は、この「勝谷誠彦の××な日々。」を2007年元旦の創刊号から購読していた。下船しようなどとは一度も考えることもなく、丸々12年間ずっと乗り続けた船旅だったのである。音楽が、そのような想いに一層拍車をかけた。
その旅が、ゆうべ一度終わった。きょうからは、また別の形で、同じくヨロンさんが配信するメールが始まった。謂わば、新たな幕開け、新たな旅の始まりなのである…。


さて、一夜明けて朝。僕は、午前6時半過ぎに起床し、日昇を待った。初日の出を撮るのである。ちょっと手を抜いてw、何処かへ出掛けることはせず、うちのベランダからの撮影だ。

下は、薄明始時の南東に浮かぶ月。新月まであと5日ほどの月齢。その日、こんどの日曜日の午前中には、部分日食がある。これも今から楽しみだ。

この初日の出を撮影しようとしていた頃、NHK-FMではチャイコフスキーの「くるみ割り人形」から「花のワルツ」が流れていた。うきうきするような選曲。初日の出を待つ心持ちに合っている気がしたのである。
僕はそのあと、CDで再び武満徹の曲をかけた。こんどは、ギター名曲集である。やはり、映画やドラマのテーマ曲やら、ビートルズの楽曲の編曲版やら。これもまた、お正月の雰囲気にとてもよく似合っていた。

上は、あともう少しで日の出が見える…というときに藍色の虚空を横切った鳥。多分、鴉の群れの一羽だったのだろう。まるで、大きく羽ばたいているかのよう。両翼を羽の先まで広げているのが見て取れる。

そして、見えてきました、ご来光。いつものことだけれども、向こうの電柱や電線が邪魔で御免なさい…。それから、この日の出は、4枚上の黄色い写真へと続くのである。

…そんなわけで、皆さま今年一年も、どうぞ宜しくお願い致します。

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