先達ての金曜日のことである。
前日からの雨は朝まで続き、午後には止んだようだった。それでも、夕方頃には幾分のにわか雨が降った。夜半には雲が引いて、梅雨空の狭間の星空を見せてくれそうな塩梅となった。
午前零時にふと、窓の外を眺めると、雲間から明るいふたつの星が見えた。惑星であることはすぐに分かった。木星と土星であろう。
ニコン P900と三脚を用意する間に再び雲は出て、この惑星たちを隠そうとする。そこを撮った。それが上の写真だ。木星には薄雲がかかって、まるでソフトフィルターのような効果が出ている。面白いw
すると左方、南東がやや明るい。月が見えてきたようだ。垂れ込めた雲の中から漸く顔を出しつつあるらしい。ファインダーで覗くと、雲のレンズ効果も重なってか、月光が赤にも青にも見える。空と雲に、その色が離散していく。
そんな間隙にも、月面のクレーターはしっかりと観測できた。これもまた、虧月(きげつ)を観る楽しみのひとつであろう。そんなことを思いながら、朧に浮かぶ二十日月をまた一枚、写真に収めた…。
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さて、いま話題となっている彗星がある。今年の3月に発見されたばかりの「ネオワイズ彗星」である。これが、明け方や夕方にちょうど見頃となっているのだ。
(出典:国立天文台)
しかしながら、残念なのは、このところの梅雨空によって、せっかくの新彗星が雨雲に隠されてしまい、ほとんど目にする機会がないということなのだ。
それでも、星空アーチストのKAGAYAさんは、日の出前の一瞬晴れた空に、このネオワイズ彗星を見事撮影し、非常に美しい写真をSNSにアップしておられた。
嗚呼、僕も是非撮ってみたいものである。夜明け前の早朝は忙しくてちょっと無理なので、夕方にでもチャンスが訪れてくれれば…と願っている。
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下のリンクは、きのうから読み始めた本。図書館でずっと順番待ちになっていました。森博嗣センセイがブログを終了されて以来、僕が久し振りに読む「森博嗣節」なのかも知れません。もう、まえがきの部分から、いつもの名調子が炸裂(?)しておられます。曰く「突慳貪(つっけんどん)な作者」「天邪鬼(あまのじゃく)な作者」「お金に無縁の作者」「お金を増やそうとは思わない」などなど。
ところで、森博嗣センセイが(ある程度事前の告知があったとはいえ)やや唐突に、20年以上に渡って各所で続けられてきたブログをお辞めになってから半年以上がが経ちます。終了したのは確か、昨年の末でした。その後は、ご存知のように、今年に入ってからコロナ禍という天地がひっくり返るかの如く災難に世界中が巻き込まれています。ひょっとして、森センセイは、かなり前もってこの災禍の発生をご存知であったか、予感されておられたのではないか、と僕なんかは愚考するのであります。
何と言いますか、せっかく長年続けてきたブログの終焉と、コロナ禍の発生とが妙に歩調が合っているような気がするからなのです。だから何なのだ、と言われてしまえばそれまでなのですが(苦笑)、以前から森センセイは「仕事を減らしている」と仰っていましたので、多分まあ偶然の一致なのかも知れませんけれども。そういった点においても、何か特別なものを「持っている」お方なのでしょう、そんな気も致します…。
森博嗣 著『お金の減らし方』
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