都内の仕事場へ行く前に食べるお昼ご飯は、最近、「カレーは飲み物。」か家系ラーメンの2択になってきた。
そろそろ第3の選択肢を発掘しないといけないかも、嗚呼そう言えば天丼が食べたいなあ…と思いつつ街を歩いているとき、ふと天ぷら屋さんを見つけて入ってみたのだ。
この店が夜は居酒屋をやっているらしいことは、店内の壁にぐるりと貼られた様々なメニューを見て分かった。やはり、天ぷらに関係した品名が多い。変わったところでは、豚の角煮の天ぷらとか、ビーフシチューの天ぷらとか。勿論、普通の天ぷらもある。
この日は、試しに650円のサービス天丼を頼んでみた。店の人は20代の若い男女がひとりずつである。客は僕以外に2、3人ほどだった。空いていたせいか、天丼は数分で出てきた。それが、トップの写真である。
味噌汁とサラダ、たくあん付き、ご飯は大盛りが可能。とても美味しゅうございました。次回来たとき(多分2〜3週間後)には850円の天ぷら定食を試してみようと思った。楽しみだ。
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そして、数日後。この日は塾の仕事が休みだったので、晩御飯を作ろうと思った。
天丼を食べたばかりなのにwまた天ぷらが食べたくなったから、スーパーへ材料を買いに出た。でも、海老天は以前作ったときに結構面倒で難しかったのを覚えているので、ついでにうどん屋さんに立ち寄って、かき揚げと一緒にテイクアウトで買うことにした。
うどん屋さんでは、大学生くらいの店員さんふたりがせっせと持ち帰り窓口で応対をしていた。何人もお客が来ていたのである。
仕事振りのみならず言葉遣いもキチンとしているように感じられ、若いのにこりゃ感心だ、と思った。いつか天ぷらうどんが食べたくなったら、また来よう。
さて、家で僕は、さつま芋と椎茸を切り、小麦粉などを溶いて天ぷら作りに取り掛かった。海老天に比べたら、芋天など実に簡単なものであるw
最後に小麦粉の生地が幾分余ったので、冷蔵庫を覗いて何か追加で揚げようと考えた。納豆を海苔で巻いた天ぷらが良い。これは、僕が子供の頃に母がよく作っていたものだ。
そういえば、小学何年生のときだったか、明日の家庭科の授業で朝食のメニューの聞き取りがあるんだ、と晩ごはんを食べながら母に言ったことがあるのを思い出した。
例えば、今朝はご飯と目玉焼きを食べました、とか、パンとウインナーでした、とか、そんな感じである。何のことはない。普通に答えれば良いわけである。
ところが、母は翌朝少し早起きをして、何と天ぷらを揚げてくれたのだった。どうして天ぷらだったのかは、よく分からない。
僕は、その朝ごはんを有り難く食べる反面、学校に行って「天ぷらを食べました」と答えるのが何だか却って恥ずかしくなりそうだなと考えて、ちょっと複雑な心境だった。
以来、天ぷらを食べるときには、このことを思い出してしまうことがある。きょうも納豆海苔巻きを作りながら、母が天ぷらを揚げている後姿が脳裏に浮かんで来た。
僕はそれから、出来上がった天ぷらの幾つかを別のお皿に取って、とろけるスライスチーズをトッピングした。これはちょっと思い付いて、やってみたかったのだ。それが、上の写真である。
最近は、夜明けが早い。午前4時過ぎといえば、もう暁光がほの明るく東の空を染めているのである。下のオレンジがかったピンク色から天頂の深い群青の青色まで、グラデーションが無段階に広がって美しい。
天ぷらを作ったこの夜は半月だった。上弦である。何週間か振りにニコン P900でズームを効かせて撮ってみた。
あと、CGアーティストで天体写真家のKAGAYAさんが、「きょうは直線壁と呼ばれる断層が月面に見えます」という趣旨のエントリを月面の写真と共にSNSへ上げておられたので、僕も自分で撮って引き伸ばしてみた。
すると、おっしゃる通りに、線状の断層が欠け際に見て取れたのだ。下の写真で赤い矢印の先にある縦の線がそれである。全長は110kmもあるらしい。初めて見たけれども、いやあこれは面白いものが写ったなあ…。
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それから、さらに数日後。先週に続いて、都内の仕事に行ったときに再び天ぷら屋へ行ってみた。
次回は2~3週間後にしようかと考えていたけれども、またお昼ごはんは天ぷらが良いと思ったのである。もう癖になってしまっているのかも知れないw
店内に入ると、先週はふたりいた若い店員さんがきょうはひとりだけ。実に忙しそうである。殆どのテーブルには、食べ終わったままの状態で皿や茶碗やどんぶりが置いてあったからだ。片づける暇もなかったのだろう。
このとき食べている最中のお客は1、2人程だった。もし僕が来なければ、彼らが食べ終わって店を出たあと一気に片づけられると思っていただろうに、これは間が悪いときに来てしまったかな?と却って申し訳なくなった。
でも、気を取り直して今回は天ぷら定食を注文。850円である。先週と同様、数分程で出てきた。はやい、美味しい。如何に忙しくとも、ちゃんと作っているようなのだ。
あと、「テーブルの引き出しの中に七味や塩が入っています」と配膳のときに教えて貰えた。どれどれ…と思って開けてみると成程、色々な種類の塩や七味(しかも長野の善光寺のもの)がごろごろと並んでいる。楊枝や紙ナプキンもここにあったのか。
そのうちにまた食べに来よう…と思いつつ、ひょっとしたら来週も来てしまうかもしれない。いや、そろそろ家系ラーメンにも行かねば。でも、これは昼食の実に良い場所を見つけたと僕は悦に入っている…。
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さてさて、上の写真にも写っていましたが、七味唐辛子といえば、これ。善光寺が印刷された缶でお馴染みの、八幡屋礒五郎ですね。僕は長野県出身ということもあってか、物心ついた頃から食卓の風景の一部としてこの缶のデザインが見慣れてしまっています(笑。これが置いていないと落ち着かないくらいかも、というくらいの定番です…。
「八幡屋礒五郎 七味唐辛子 缶 14g」
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